広島県呉市にある『田中八幡神社のフジノキ』は樹齢500年以上とも言われとる長寿のフジの木じゃ。
桜、杉、ヒノキ、クスノキ等の老木の話は耳にすることはあるんじゃけどフジの老木は珍しい。野山に生えとるフジにはノダフジとヤマフジがあるんじゃけどここのフジの木は花序が長いけんノダフジの様じゃの。
神社ができる以前から既にそこに存在し、時代を見つめてきたフジの木に出会いに行ってきた。
『田中八幡神社のフジノキ』へのアクセスや駐車場など
広島県呉市天応宮町5−12
フジの木のある田中八幡神社は呉ポートピアパークから1km弱の距離にある。
JR呉線で行く場合は呉ポートピア駅もしくは天応駅どちらで降りても同じくらいの距離じゃ。ほんの少し天応駅からの方が近いけどの。
車で行く場合は広島市内から広島呉道路を使って訪れる場合は「天応西IC」で降りる。逆に呉中心部から訪れる場合は「天応東IC」で降りるようになる。
神社へ参拝するための駐車場の有無は不明。
神社のすぐ目の前にある呉市天応市民センターに聞いたら駐車場の情報がわかるかもしれんの。もしかしたらここに車止めてええよとなるかもしれんけん、どうしても付近まで車で行きたい人は呉市天応市民センターに問い合わせてみてくれ。
樹齢500年以上!?『田中八幡神社のフジノキ』呉市最大じゃ!
県道66号線から呉市天応市民センターの横の道路を中に入るとすぐに田中八幡神社の鳥居がある。
規模としてはそこまで大きくない神社じゃの。
鳥居の右側に設置されとったフジノキの案内板を見ると呉市の天然記念物に指定されとるようじゃ。
呉市指定文化財 第4号
天然記念物 田中八幡神社のフジノキ・社叢
昭和40(1965)年10月1日指定(フジノキ)
昭和42(1967)年10月1日指定(社叢)田中八幡神社の社叢は、海岸地に見られる社叢の代表的な形態を保っており、風化花崗岩の小さな丘の上に形成されています。もともと、神社のすぐそばまで海が迫っていました。大きな樹木では、アベマキ、ウラジロガシ、クスノキ、クロガネモチ、モッコク、ヤブツバキなどが豊かに繁っており、特に、乾燥や潮風に強いモッコクが多く見られます。また、社叢の中でもっとも古いものは、フジノキとクロガネモチです。フジノキは本殿の裏にあり、神社が建立(文亀2[1502]年)される以前からこの地にあったと伝えられています。
根元は何本もの幹が輪を重ねたようにつながって、1本の大きな幹にも見えます。幹はすぐそばのモッコク、クロガネモチなどに寄り掛かって左右に枝を伸ばしており、大きな広がりを持っています。呉市教育委員会
(田中八幡神社のフジノキそばの案内板より抜粋)
鳥居をくぐり奥へと進む。
鳥居のすぐ後ろと本殿の手前の二か所に少しだけ石の階段が設置されとる。
長細い丸いものがあると思うたらどうやら奉納された砲弾の弾頭のようじゃけど詳細は不明。
新緑が眩しい季節じゃの!
狛犬の後ろにはちょうどええ位置にモミジが生えとるけん紅葉の時期に来るものよさそうじゃ。
階段を上がり、田中八幡神社本殿に参拝。
フジノキがどこに生えとんかわからんかったけん、本殿を右から一周してみることにしたら猫ちゃんと遭遇。
首輪しとるけん飼い猫か~。
本殿の裏まで来ると鉄パイプのやぐら、絡みついたツル、そして薄紫色のフジの花が目の前に現れた。
これが樹齢500年以上と言われとる”田中八幡神社のフジノキ”じゃ。
俺は場所がわからずに本殿に向かって右側へ行ったんじゃけどフジの木は本殿に向かって左側の奥に生えとるけんの。
樹齢500年以上ということで自分の中でかなり期待値を上げ過ぎとったせいか花を見た印象は普通のフジの木じゃな~というものじゃった。
とは言えかなり貴重なフジの老木。
花はいたって普通じゃったがフジの木の根元が今まで生きてきた歳月を表すように独特なうねりを見せてくれとる。
枯葉や土に埋まっとるせいでわかりにくいが根元はかなり太いようじゃの。
呉市HPの記載によるとフジノキの集合幹の大きさは呉市内では最大とのこと。
他の樹木に絡みついて樹高はかなり高い。鉄パイプのやぐらはフジの木を保護するために設置されたものか?
フジの木のすぐ下にも案内板が設置されとった。
こちらには樹齢約400年と記載があるが計算が合わんの~。まあ、なんにせよどえらい前からここに生えとる老木には変わりない。
呉市指定文化財
天然記念物 田中八幡神社のふじの木
幹回り目通り2m、高さ15m、枝張り東西南北20m。ふじの木としては稀にみる老樹である。
芸藩通誌によれば田中八幡神社は文亀2年(1502年)に勧請されているがふじの木は神社建立以前からあったと伝えられている。
樹齢約四百年
昭和四十一年十月一日 呉市教育委員会
(田中八幡神社のフジノキそばの案内板より抜粋)
フジと言えば誰しも藤棚を連想するじゃろうけど”田中八幡神社のフジノキ”は一本のフジが何本ものツル状の幹に分かれて大きく伸びとるような状態じゃ。
花の美しさだけで言えば山に自生しとるフジと同様程度で「格別に見事!」とは言えん。じゃけどこのフジの木が歩んできた悠久の時の流れを感じるという観点からは十分に価値があると思うの~。
500年前の祖先もこのフジの花を見てほのかな香りを感じとったんか~。
帰路につく前に本殿の前から”田中八幡神社のフジノキ”を振り返り再び眺めた。
写真じゃとわかりにくいが案内板の背後にフジの木が背を高くツルを伸ばしとる。
最後に
言い伝えによると樹齢約500年の”田中八幡神社のフジノキ”。
格別に花が美しいというわけではないが、これほどの樹齢を重ねたフジの木は珍しいけん付近を通った際にはついでに寄ってみるのはいかがじゃろうか?
呉ポートピアパークのすぐ近くじゃけんの!