
広島県福山市の沼隈(敷名)と内海町(田島)を繋ぐために架けられた内海大橋。
この内海大橋の沼隈町側、厳島神社の参道に生えとる藤が平家物語にも記された藤と言い伝えられとる。
治承4年(1180年)に厳島参拝の帰路に高倉上皇が船上から美しい藤の花を見て賞賛し、藤原隆季の大納言が詠んだ歌から『千年藤(ちとせふじ)』と呼ばれるようになったそうじゃ。
今回は『敷名の千年藤(しきなのちとせふじ)』にあやかり設けられたであろう内海大橋県道53号線沿いにある藤棚を観賞してきた。(敷名の千年藤には行くのを忘れとったのは内密に・・・)
藤棚へのアクセス
2021年4月現在、Google MAP上に記載されとる『敷名の千年藤』の場所は間違っとるけんいつか修正したいと思う。
とりあえず今回行った藤棚は内海大橋を目指して行けば県道53号線沿いに藤棚が建てられとるけんすぐにわかるじゃろう。
駐車場は内海大橋手前にあるカフェ、Cafe 59(ファイブナイン)のすぐ横にある。間違ってカフェの駐車場に止めんようにの。
Cafe 59のすぐ横(内海大橋側)に案内板と石碑のある駐車場があるけん、Cafe 59を目指して行けばわかるじゃろう。
藤棚は下図、青線A~B区間約600mの間に点在して設置されとる。
『敷名の千年藤』にあやかり設置されたであろう内海大橋付近の藤棚
内海大橋に向かって車を走らせとると橋の手前に小さな建物が右手(海側)に見えてきた。Cafe 59じゃの。
カフェを通り過ぎてすぐにあるパーキングスペースに車を止めると、そこには石碑と内海大橋の案内板が設置されとった。
石碑に記された文章を読んでみる。
「平家物語」巻四に、沼隈町敷名(しきな)の藤の物語があります。
治承四年(1180)高倉上皇一行が、厳島参拝の帰り敷名の沖に停泊した時のことです。上皇は、敷名の浜に美しく咲いてる藤の花を称賛しました。その時、
千とへん 君がよはいに 藤なみの
松のえだにも かかりぬるかなと隆季(たかすえ)の大納言が歌を作り、藤の花を松につけて差し上げました。
敷名の藤は、この故事により後世、千年藤と呼ばれ、広く知られるようになりました。
この藤の話を記念してここに石碑を建立しました。書は福山市柳津町の岡田研山氏によるものです。
「現地石碑より抜粋」
1989年10月に開通した内海大橋は橋の真ん中で「く」の字に折れ曲がった非常に珍しく造形の素晴らしい橋じゃ。
この橋の写真を撮る為だけに訪れる人も多い。夜景も綺麗なんよの~。
話を藤棚に戻す。
パーキングから今通ってきた県道53号線を引き返すように遊歩道を歩いて藤棚の観賞じゃ。
白い藤はモリモリに満開じゃの~。淡紫の藤の花は開花のピークまであと少しというとこじゃった。
時間がある人は藤棚見物のついでにCafe 59でコーヒーとケーキで美しい瀬戸内海を眺めるとええじゃろう。
カフェからは内海大橋も見えるし瀬戸内海が一望できるけん夕暮れ時に行ったら最高のロケーションじゃけん是非立ち寄る事をおすすめする。
白い藤の花は満開なんじゃけど淡紫の藤の花は満開まであと一歩というとろこ。
藤棚は県道53号線沿いに点在しとるけんゆっくり歩いて見物じゃ。
交通量がそこそこあるんじゃけど遊歩道があるけん通り過ぎる車の事は気にせずに花が見れるわい。
歩いてきた遊歩道をふり返る。
途中、開けた箇所があり瀬戸内海が見渡せるぞ。
山に咲いた野生の藤もどうやら満開の様じゃ。蜂がブンブン飛んで必死に蜜を集めとるのが遠目からでも確認できた。
次の藤棚は途中から赤い新芽の生垣が印象的じゃた。
藤の花のええ匂いが漂う。
前日の雨の名残。水たまりに写る藤棚もええよの~。
遊歩道を歩いて最後の藤棚までやってきた。ここにはベンチが並べられとるけん藤の花を眺めながら弁当でも食えばえかったの~。
トモテツバス、小尾越バス停。藤の花に包まれたバス停とは何とも趣があるもんじゃわい。
瀬戸内海に架かる見事な内海大橋
藤棚見物を終えてパーキングまで戻ってきて気がついたんじゃけど、なんか下に降りれそうな脇道発見。
坂道を下って行くと内海大橋の真下を通って海岸まで降りる事ができた。5分もかからんぐらいじゃったかの。
海岸に降りて右手には常石造船。
内海大橋はやっぱり絵になるの~。素晴らしい建築物じゃ。
海岸から上に戻り、内海大橋を少しだけ歩いてみることにした。
内海大橋の上から常石造船を望む。
藤棚を動画でどうぞ
最後に
平家物語にも記された『敷名の千年藤』(今回は行っとらんけど)。
この藤棚の為だけにここまでくるのはどうかとは思うんじゃけど、内海大橋を渡り島をドライブするのは最高じゃけんタイミングが合えば藤が綺麗に咲いとる時期に訪れてみてはいかがじゃろうか。
ちなみに藤の花が咲く時期は内海大橋を渡った田島にある『ふくろうの花畑』で芝桜が見頃じゃけんあわせて立ち寄るとええじゃろう。