
立春の2月4日、広島市の街のど真ん中にある縮景園(しゅっけいえん)に梅の花を求め行ってきた。
縮景園は、広島藩主浅野長晟(あさのながあきら)が1620年に別邸の庭園として、家老の上田宗箇に作庭させた歴史ある和風庭園で、1940年に国の名勝に指定された。
庭園の名前の由来は、「各地の景勝を縮めて集めて庭を造ったことからきている」と言われたり、「中国杭州にある世界遺産の西湖を縮めて造られた」と言われたりしとる。
1945年には原爆投下により甚大な被害を受けて一時は閉園しとったんじゃけど、その6年後の1951年には復旧途中ながらもなんとか開園できるまでに回復した。
現在は、素晴らしい庭園として広く知れ渡り、広島県民だけでなく海外からも多くの観光客が訪れるようになった。
縮景園へのアクセス
広島県広島市中区上幟町2−11
最寄りの駅は路面電車の広電白島線、”縮景園前”じゃ。じゃけど、広島駅から行くなら距離は約1km、歩いて行っても10分位じゃけん、公共交通機関で行くよりも歩いて行く方が早いぞ。
路面電車じゃと白島線に乗り換えも必要じゃし、待ち時間も考えるとかなりの時間がかかってしまう。
[縮景園ホームページ]
[開園時間]
- 4月1日~9月30日〓9時~18時
- 10月1日~3月31日〓9時~17時
(春と秋の夜間ライトアップ期間中は開園時間の延長あり)[休園日]
- 12月29日~12月31日
[入園料]
- 一般〓260円
- 高・大学生〓150円
- 小・中学生〓100円
(各種割引は縮景園のHP参照)[駐車場]
(縮景園の入口の目の前に専用駐車場有。二輪は無料。)
- 乗用車〓1時間まで310円、以降30分毎に160円加算
- バス〓1時間まで620円、以降30分毎に310円加算
(乗用車は県立美術館の駐車場も利用可。付近にコインパーキングも多数あり。)
縮景園は広島県立美術館と並んであるけん、時間に余裕がある人は両方行ってみるとええじゃろう。両方をゆっくり見たら半日以上時間が必要じゃ。
お昼ご飯も大丈夫、縮景園内の泉水亭では抹茶やコーヒーが飲めるだけでなく、”おにぎり”や”うどん”も食べる事ができるぞ。少し豪華な昼飯が食べたいなら、広島県立美術館内にはレストラン”ゾーナ イタリア イン・チェントロ”もある。
俺は子供と一緒に行って、ゆっくり歩いて写真を撮って縮景園には約二時間の滞在時間じゃったんじゃけど、子供がおらんかったらもう一時間位はおりたかったのう。
園内には野鳥を狙っとる鳥撮りのカメラマンも多数おったぞ。
いざ、縮景園へ!
車を駐車場へ止め、縮景園の入口の”冠木門(かぶきもん)”までやってきた。
この門をくぐってすぐ右手に入園券売場があるけん、そこで入園料を支払う。
入園料を払うと、パンフレットと一緒に園内の泉水亭の飲み物割引券と、子供に鯉の餌も一袋くれた。
園内にはボランティアのガイドさんもおるけん、じっくり話が聞きたい人はお願いしてみよう。
入って先ず植えとる木の高さに驚いた。こんな背の高い木の管理をするのは大変じゃろうのう。
少し歩くと大きな池が現れた。
縮景園の真ん中にある濯纓池(たくえいち)という名前の池で、広さは約8000㎡。池の水は隣の京橋川から引いとるそうな。
奥に見えとる建物は名月亭(めいげつてい)。
池の水はお世辞にも綺麗とは言い難いんじゃけど、濯纓池の水面に景色が映し出される情景は「見事!」の一言。
風の無い、晴天の日に来るのが一番じゃのう。花が咲いて無い時期でも、この景色があれば十分感動するで。
茅葺(かやぶき)の悠々亭(ゆうゆうてい)が絵になるのう。
濯纓池の中央には跨虹橋(ここうきょう)という石造りの橋が池を二分するよにかかっとる。
この橋の景観は非常にすばらしいんじゃけど、階段には若干傾斜がついとるけん滑り易くて渡りにくい。橋は見るだけにして側面の木道を通るのが安全じゃろう。
橋の周辺には鯉が沢山集まっとって、子供らが夢中で餌を投げとった。鯉の餌目当てか、鳩も大集合!
縮景園は街の真ん中にある庭園じゃけん、周りにはビルやマンションが立ち並んどる。まさに都会の中のオアシスじゃのう。
散策しとるとアオサギ発見!人間に慣れとるようでかなり近寄っても逃げんかった。
縮景園には色々な鳥が来るようで、驚く事にこんな街の真ん中でカワセミやミサゴが見れるんじゃ。
俺が行った時も池に飛び込む大きな鳥がおってビックリしたんじゃけど、周りの鳥撮りの人が「ミサゴじゃ!」と言うとった。残念ながら俺のカメラでは遠すぎて撮影できんかった。
濯纓池の周囲をぐるりと歩いて周れるように遊歩道が整備されとるけん、色々な角度から水面に映る庭園を楽しむ事ができる。
写真奥で白く幕が張られとるのは清風館(せいふうかん)。残念ながら整備中じゃった。
京橋川沿いにも遊歩道があり、木々の間を木漏れ日が照らすなんとも心地よい空間。
ふと京橋川に目をやると、スタンドアップパドル・サーフィンで上流へと向かう人がおった。頑張れ。
反時計回りに園内を周って最後にやって来たのがお目当ての梅林(ばいりん)。
残念ながら梅の花が咲いとる木はほんの数本のみ。じゃけど木によってはほぼ満開の木もあったぞ。見頃は2月中旬位かのう。
写真奥のピンクの梅の花はほぼ満開で、メジロが花の咲いた枝をウロチョロしとった。
写真手前の梅の木はまだ全て蕾じゃったんじゃけど、もう今にも咲きそうなほどに膨れとる。
花のまだ咲いとらん梅の木も、苔の生した姿で楽しませてくれる。
数少ない花開いた梅の花の周りには大勢の見物客とカメラマンで賑わっとった。
俺もここぞとばかりにレンズを向けるんじゃけど、ええ写真を撮る事は中々できん。
8~9分咲きの梅の花。しっかりとした梅の香りが漂う。
軽く30分以上、梅の花を堪能した後に池のほとりの遊歩道を歩いて帰路へと向かう。
この時点で午後3時頃なんじゃけど、冬の太陽の低い高度で梅林は殆どが建物の陰に入り、遊歩道の樹木の影は早々に長くのびる。
県立美術館付近は苔好きには嬉しい遊歩道じゃの。
濯纓池の景色は園内のどの角度から見ても非常に美しい。
梅の時期には少し早かったんじゃけど、縮景園に来てよかった。
梅が満開時に縮景園に再訪したぞ!
満開の梅林はなんとも華やかじゃの!
枝垂れ梅の木は背が高いけん中々見ごたえあり。
元気に梅の木を飛び回るメジロ。カワイイのー!
ヒヨドリも梅の花の蜜を食べに来とった。
梅の花が満開の縮景園の様子を動画でどうぞ!
最後に
実は広島市内に住み始めて20年が経つんじゃけど、縮景園には今回初めて来園した。
以前から「行こう行こう」とは思うとったんじゃけど、身近にある庭園じゃけん、いつでも行けるわと思うとったら、気がつけば20年経過しとった。
縮景園に今回初めて訪れて、特に印象的じゃったのがやはり濯纓池に写る周りの景色。花は無くとも十分過ぎるほどに見事な景観じゃったぞ。
行ったことが無い人は、できれば快晴の青空の下で池に写る景色を見てもらいたいのう。
一つアドバイス。梅の花目当てで行くなら早い時間帯に行った方がええぞ。俺が行った2月4日の時点では午後3時を回ると梅林が全て建物の陰に隠れて日影になってしもうたけんの。
池のある見事な和風庭園、四季折々の植物の装い、様々な野鳥との出会い。縮景園は広島を代表する素晴らしい庭園じゃのう。
2020年には築庭400年を迎える。
追伸:
縮景園には気象台が桜や梅等の開花宣言をする為の基準となる12種類の標本木があるけん、それを確認しに季節ごとに訪れるという楽しみ方もあるぞ。
ここが広島の開花宣言の始まりの場所じゃ。