しまなみ海道の大三島には『生樹の御門(いききのごもん)』と呼ばれとる樹齢三千年のクスノキがある。
この「生樹の御門」は根回りが32m(現地案内板では31m)にも及ぶ巨大な双幹(根元より二本の幹が出ている)のクスノキで、主幹の根元には人が通れるほどの大きな空洞が開いとるんじゃけど、なんとその空洞内には石段が設置されとって「大山祇神社奥の院」への参道となっとるんじゃ。
樹齢三千年のクスノキの門をくぐって参拝する神社仏閣なんかここ以外にないじゃろうの~。最高のパワースポットかもしれんぞ。
「生樹の御門」は二本の幹をあわせた総幹周は15.5mで、昭和26年(1951年)に愛媛県の天然記念物に「生樹の門(クスノキ)」として 指定されとる。
『生樹の御門』へのアクセス
今治市大三島町宮浦
大山祇神社の拝殿から歩いて約5分程度で行くことができるけん、時間に余裕がある人は是非立ち寄ってもらいたい。
『生樹の御門』駐車場
「生樹の御門」までは車で行くことはできんけん付近の駐車場に止めてから歩いて行くようになる。
何ヵ所か駐車場を記載しとこう。
下記の駐車場は周辺観光(大山祇神社、大山祇神社宝物館、藤公園、大三島美術館)の際にも利用可能じゃけんの。
ちなみに藤公園の藤棚はブチ綺麗なけん絶対に花の時期に一度は足を運んだほうがええぞ!
ほとんどインターネットでは出てこん情報じゃけど、実は県道21号線沿いの大山祇神社の入口付近に参拝者用の駐車場が最近新しく整備された。駐車可能台数は少ないけん朝一か夕方じゃないと車を止めれんかもしれんのう。
この駐車場は2018年10月現時点でGoogleMapはでは対応しとらんけん確認できん。
市営藤公園前駐車場
ありがたい事に24時間利用可能で無料じゃけん使いやすい。時間気にせんでええのは楽じゃろ~。
道の駅「しまなみの駅 御島」
営業時間内の8時30~17時で利用可能じゃ。
土産以外にも地元農家が育てた野菜の販売やレンタサイクルもあるけんの。駐車料金は無料。
せとうち茶屋 大三島店
土産物屋さんの駐車場も無料。営業時間内の9時~17時で利用可能じゃ。
ただし、お礼代わりにここで飲食するかお土産を必ず買ってあげよう。
『生樹の御門』への徒歩での行き方
生樹の御門へ行くルートは何個かあるんじゃけど、大三島まで来る人は大山祇神社に必ず参拝するじゃろうけん、その参拝ルートからの行き方を書いておく。
先に書いたんじゃけど道が狭いけん徒歩でしか行けんけんの。
大山祇神社の石の鳥居をくぐると目の前にどーんと見えてくるのが総ヒノキ造りの”総門”じゃ。
1322年に焼失したのを2010年(688年ぶりに)に復元した。
しかし立派な門じゃのう。
総門を抜けると大山祇神社と言えばこの巨木!樹齢2600年「乎千命御手植の楠」がこれまたどっしりと構えとる。
これ見ただけで凄すぎて満足してしまいそうじゃろ。
このクスノキの周りを息を止めて3回まわると願いが叶うと言われとるけん俺もチャレンジしたんじゃけど、もちろん途中で苦しくなって断念した。
「乎千命御手植の楠」をすぎて石段を登ると拝殿の目の前に到着じゃ。
「生樹の御門」へ向かうにはここを右手へ曲がって進む。(せっかくじゃけん拝殿で参拝してから行ってくれ)
小さな川にかかる橋を渡り左方向、川の上流側へと向いて歩いて行く。
この場所には重要文化財の宝篋印塔(下の写真右にチラリと写っとるやつ)、そして鎧兜刀剣好きは必ず立ち寄ったほうがええ大山祇神社宝物館の入口がある。
川沿いを歩いとるとすぐに左手に「奥の院・生樹の御門」の標識があり、さっき渡った川を再び橋を通って渡る。
橋を渡るとすぐ目の前にはまた青い看板があるけんこれを右へ。
細い路地を歩く。「生樹の御門」はもうすぐそこじゃ。
都会から来た人はこんな場所を歩くことはあんまりないじゃろうけんドキドキじゃろうの~。看板のとおりに進めば問題なくたどり着くけん大丈夫じゃけんの。
細い路地を抜けると畑になり左に曲がるよう白い看板があるんじゃけど、ここから左を向いたらもう「生樹の御門」は見える。
ひと際背の高い木。あれが「生樹の御門」じゃ。
『生樹の御門』樹齢三千年のクスノキの巨樹できた門!!
太い幹、広がる視界に入りきらん程広がった枝・・・。
悠久の時を経てここに佇んどる「生樹の御門」を見上げると神秘的な気分になると共に、自分の生きてきた時間がこの木にとっては一瞬の様なものかと感慨深くしばしの間身動きができんかった。
木の根元に見える階段を上っていくと、クスノキの中を通って大山祇神社奥の院へと参拝できる。
クスノキの中を通るのは不思議な気分じゃの~。
この世に生まれてくるような、あのように行くようななんとも不思議な気分じゃ。
穴を抜けてふり返るとこの景色。
凄い巨大なクスノキなんじゃけど比較するもんがないと伝わりにくいか?今度俺が大きな穴の中に入って自撮りしてみるかのう。
「生樹の御門」をすぎるとすぐ目の前に大山祇神社奥の院が建てられとる。
この中には木造の阿弥陀如来三尊が祀られとるんじゃけど、如来様って事はお寺か?
以下の写真は違う日に焦点距離7.5mmの魚眼レンズ撮っとるけんより広範囲が写っとる。
いったい今まで何人の人間がどんな思いでこの門をくぐったんか。
うねる木の幹の門は色々な想像を掻き立てる。
西の空に降りていく太陽が神々しい光芒を放ちながら周囲を照らし、「生樹の御門」は静かにそれを浴びとった。
夕暮れ時のせいか訪れる人は皆無。時がゆっくりと流れていくのをしばらく感じた後に帰路に着くことにした。
最後に
樹齢三千年のクスノキをこんなにも間近で見ることのできる所はそうない。
しかも幹の中の空洞が門となり参道となっとる木となると世界中探しても非常に珍しいと言えるじゃろう。(熊野那智大社にもくぐれるクスノキがあるんじゃけど樹齢が若い)
木はそこにただ生えとるだけで人間が勝手にパワースポットじゃとか言うとるだけなんじゃけど、そうは思うとってもこの木には圧倒されてしまい神秘的な何かを考えられずにはおれんかった。
現地の人の話によればこの門をくぐると長生きできると昔から言われとって、木の一部をお守りとして持って帰ったり、中にはそれを煎じて飲む人もおったそうじゃ。
現在ではそういう人はおらんじゃろうけど、まあ病は気からと言うし精神的な支えにはなるんかもしれんのう。(持って帰ったら絶対にダメじゃけんの)
樹齢三千年のクスノキの中に抱かれるような神秘的な体験をしに「生樹の御門」へ一度訪れてみてはいかがじゃろうか。
実はこのクスノキは樹齢が三千年と言われとるんじゃけど、それは「とっても長生きしとるクスノキ」と言う意味じゃと現地の人が言うとった。
つまり・・・。あとはご想像におまかせで。
まあ、細かい事はきにすまーや。
大三島に訪れる時はタイミングが合えば近くの大三島藤公園で藤の花を見たり、教善寺で枝垂れ桜を楽しむとええじゃろう。