『岩井谷の大龍頭』誰もが見れるわけではない秘境の滝!!(佐伯区湯来町)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

”岩井谷の大龍頭”は佐伯区湯来町にある滝で、滝とその周囲の景観はまさしく絶景!!

別名”武者かくしの滝”とも呼ばれとる落差約20mの滝何じゃけど、その存在を知る者はほとんどおらん。

こんなにも素晴らしい滝が何故、無名なんかと言うとズバリ「道が無い」という一言に尽きるじゃろう。

滝までたどり着く為には道なき道を歩くか、川の中を遡行して沢登りするしかない。もちろん看板や目印等は何もないけん、一般的な感覚の持ち主ならこの滝の情報をたまたま聞いたとしても、絶対に行こうとは思わずに滝の事なんか忘れてしまうじゃろう。

そう、普通の人ならの・・・。

 

実は俺もこの滝に一人で行く勇気がなかったけん、もう少しスキルアップするか、滝マニア仲間を作るか、勇気の花のエキス(アンパンマン参照)を飲んでから数年以内に行けたらええかのう位に考えとった。

ところがっ!!

ある日、大好きな東山渓谷(酷道488号線)をバイクでふらふらしながら”イヨギリの滝”に行くと、一人の滝マニアの方が丁度”イヨギリの滝”の下降ポイントを探しとるところじゃった。

話しかけてみると、なんとこの人さっき”大龍頭”に行ってきたそうで、「滝まで30分くらいで案外簡単でしたよ!」と笑顔で話す。

日常、出会うことのない数少ない滝マニアと話ができ、短い時間じゃったけど俺も楽しかった。

そして、俺の心の中に深く刻まれた言葉・・・。

 

「簡単でしたよ!」

 

ほんまか~?ほんまに簡単なんか??主観じゃなくて客観的に簡単じゃったんか?

「案外簡単でしたよ」の「案外」が漠然としとるし~。

確かにネットで情報を調べても”岩井谷の大龍頭”まで行くのにザイルを使ったとか、クライミング等の特殊なスキルが必要はないみたいじゃけど・・・。ああ、詳細に遡行の工程を聞いとけばえかった~。

結局オジサンの言葉が頭から離れず次の日、俺は”岩井谷の大龍頭”の入口に立っとった。

勉強になるのう!

  • 遡行(そこう):流れをさかのぼる事
  • 渡渉(としょう):川を歩いて歩いて渡る事
  • 登攀(とうはん):山や岩等高い所に上る事

 

『岩井谷の大龍頭』入口までのアクセス

湯来町から吉和へ向かう国道488号線沿いに水内川が流れ、その周辺は東山渓谷と呼ばれとる。

水内川の支流である岩井谷川との合流地点が”岩井谷の大龍頭”への入口じゃ。

 

岩井谷の大龍頭への入口

湯来町側から向かう場合、国道488号線を本多田集落から吉和方面へ約3km進むと下の写真の看板がある。

真っすぐ進むと吉和。橋を渡って左に進むと林道じゃ。このまま真っすぐ吉和方面へ進む。
岩井谷の大龍頭、道のり

 

 

看板の場所から約250m進むとカーブがあり、離合スペースが広くとってある場所がある。

ここが”岩井谷の大龍頭”の遡行入口ポイントじゃ。下の写真赤矢印部から川へと下り大龍頭を目指す。
岩井谷の大龍頭、入口

 

 

吉和側からここへ来るのなら下の写真の赤丸部、左手に見える岩に塗られた赤いペンキが目印じゃ。

写真で見るとハッキリと赤ペンキがわかるんじゃけど、実際にここを通るとあまり目立たんけん、見過ごす可能性が非常に高いぞ。
岩井谷の大龍頭、入口

 

 

”岩井谷の大龍頭”の遡行入口ポイントはココじゃ。↓

 

車を止めるなら

国道488号線の遡行入口ポイントは道路脇が広くなっとるけん、軽自動車位なら止めても大丈夫そうじゃけど、離合の邪魔になったら行かんけん念の為、違う場所に止めた方がええと思う。バイクなら全問題ないじゃろうがの。

 

 

最初の写真の看板のあった分岐を橋を渡って左に曲がるとすぐに石碑がある。

この石碑の前が少し広いし、ここを通る車はまずおらんけんここら辺に適当に止めたら問題ない。ただし稀に林業作業車が通るかもしれんけん、通行スペースはできるだけ確保しといた方がええじゃろう。

先に記載した遡行入口ポイントまで国道488号線を車に気をつけながら歩いて行くか、ここからすぐ川に降りて遡行開始して岩井谷川に入る。

岩井谷の大龍頭、入口

 

石碑のある場所はココじゃ。↓

 

 

 

実はこの石碑の前に”岩井の滝”という看板があるんじゃけど、道が不明瞭。

もしかして以前は川を遡行せずに山を歩いて滝まで行けるルートがあったんかのう。誰か知っとる人がおったら教えてくれ~。
岩井の滝

 

いざ、『岩井谷の大龍頭』へ遡行開始じゃ~!!

国道488号線から水内側の遡行入口ポイントを覗く。

写真じゃわかりにくいんじゃけど、川へと下りる獣道のようなものがあるけんそこを降りる。クマザサで足元が見えにくいけん慎重にの。
岩井谷の大龍頭、遡行への入口

 

 

川まで降りると目の前に本流である水内側がそして、その奥にこれから遡行する岩井谷川が見える。

本流を渡渉し横切って奥の岩井谷川へ進む。
水内側と岩井谷川の出会い

 

 

ここへ訪れたのは実はお盆過ぎの事。

この時は夏じゃったけん、最初から川の中を遡行するつもりで来た。下半身ぐらいなら濡れる覚悟もある。

濡れんように進むのなら、岩井谷川を右に左に何回も渡りながら登らんといかんのじゃけど、そんなんはルート選定が面倒じゃ。

長靴で行くつもりなら最低でも膝までの長さがないとあっという間に水没間違いなし。チェストハイウェーダーがあったら最強なんじゃけどのう。
岩井谷の大龍頭へ遡行開始

 

 

岩井谷川の遡行スタートじゃ!!
岩井谷の大龍頭へ遡行

 

 

直ぐに小さな滝があり、ここは岩の上を歩いた。
岩井谷の大龍頭へ遡行

 

 

誰もおらん渓谷をひたすら遡行する。

360度、視界に人工的な物が一切無い最高の空間に興奮するのと同時に、野生動物に対する恐怖心が混じって奇妙な精神状態じゃ。

凄まじく五感が冴える。
岩井谷の大龍頭へ遡行

 

 

人の手が一切入っとらんけんそのまんまの倒木等も多い。
岩井谷の大龍頭へ遡行

 

 

遡行する事約15分、目の前に折り重なるように倒れとる倒木の所まで来た。
岩井谷の大龍頭へ遡行、倒木有り

 

 

倒木を越えるとすぐに峡門!!凄い迫力の岩壁じゃ。
岩井谷の大龍頭、岩井谷川の峡門

岩井谷の大龍頭、岩井谷川の峡門

岩井谷の大龍頭、岩井谷川の峡門

 

 

峡門の方を向いて、左側の巻き道を登って超えとる人が多いんじゃけど、とりあえず峡門にアタックしてみる事にした。

左側から最初に攻めたんじゃけど、オバーハング(下よりも上が突き出している状態)しとる箇所があって俺の技術じゃと絶対にクリアできそうにない。

次に右側を攻めてみる。

下の写真じゃわかりにくいじゃろうけど、水中部分の岩が足を置けそうな位に出っ張っとるし、岩もオバーハングしとらん。ここに足を乗せながら岩壁に這いつくばって進めば何とか行けそうじゃ!

念の為(淵に落下した時の為)、デジカメをナイロン袋にくるんで口を縛る。

覚悟を決め、足を慎重に進めトラバース(平行移動の事)開始!
峡門の突破を試みる

 

 

数歩進み、「おっ、クリアできるんじゃないか!?」そう思うた瞬間・・・。

「ギャーッ!!」

ホールド(手がかりor足がかり)に手を伸ばそうとしたところ、何とカエルがそこに陣取っとるじゃないか!?

邪魔じゃけん、軽くつついてどかそうとしたんじゃけどびくともせん。

諦めて他に手がかりを探したんじゃけど、ええ所が見つからんかったけん諦めて巻き道を行くことにした。

カエルに阻まれた峡門!!
峡門の番人!?のカエル

 

 

峡門に向かって左側の斜面は登れそうな所は下の写真の赤矢印部しかないけんそこを登攀。すると5m位?登るとすぐに巻き道を発見することができた。

巻き道はほとんど獣道レベルくらいのもんじゃけど、辺りを注意深く見れば十分わかるじゃろう。(保証はできんぞ)
峡門の左の巻き道

 

 

これが巻き道じゃ。どれが道かわかるかの~?
峡門の左の巻き道

峡門の左の巻き道

 

 

峡門を見下ろしながら巻き道を進む。

番人(カエル)がおらんかったら行けたかもしれんのに・・・。いや、手が滑って淵にドボンじゃった可能性も非常に高かったけどの。
巻き道から峡門を見下ろす

 

 

巻き道を数分進むとすぐに川沿いまで降りてきた。

直ぐに川に入ってもええかのと思うたんじゃけど、とりあえず行けるところまで進んでみる。
巻き道はクマザサだらけ

 

 

巻き道は最後まで進むと自然と川に降りるようになっとった。
巻き道から再び岩井谷川へ降りる

 

 

ここから再度川に降りてジャブジャブ進む。

川の岸を歩こうと思うたら藪漕ぎ(ヤブをかきわけて進む事)が必要じゃったけん、川の中を積極的に進むという俺の方針は確実に時間短縮に繋がったのう。
岩井谷の大龍頭へ岩井谷川を遡行

岩井谷の大龍頭へ岩井谷川を遡行

岩井谷の大龍頭へ岩井谷川を遡行

岩井谷の大龍頭へ岩井谷川を遡行

 

 

再び川に入って約15分進むといきなり視界が広くなり、なんとも神秘的な空間へとたどり着いた。

ここが”大龍頭”へのプロローグ。

どこら辺が神秘的かは写真や文章じゃと表現できん。自分の精神状態(渓谷ハイ!?)も影響したるじゃろう。現地まで行ってその空間を実際に感じてみんとわからんじゃろうの。
岩井谷の大龍頭へ岩井谷川を遡行

 

 

歩みを進めていくと、目の前に遂に白い物が~っ!!俺の直ぐ目の前に”岩井谷の大龍頭”出現!!
岩井谷の大龍頭へ岩井谷川を遡行

 

 

そして、今回の核心部で最難関である”大龍頭”目前の小滝までやってきた。

写真では伝わらん(この言いまわし多いの。俺の文字による表現力の無さよ。)じゃろうけど、この小滝はナメ(大きな一枚岩で水が滑るように流れとる所)になっとってツルツルじゃ。

水の流れとらん部分でも岩の上は湿って苔が生えとるけんブチ滑る~。

滝に向かって右側の傾斜が緩く見えるんじゃけど、こちらは確実に滑らんと思われるホールドが見つけれんかったけん早々に断念。カラカラに乾いとる時期で摩擦抵抗が大きければ登れそうじゃけどの。そんな時があるかは知らんが。

続いて左側を確認。小滝の目の前に小さなテラスと言うか窪みがあったけんそこに立ち、しばし突破口を考える考察タイム。
岩井谷の大龍頭へ岩井谷川を遡行

岩井谷の大龍頭へ岩井谷川を遡行

 

 

ルートファインディングしとる最中にふっと上の方を見わたすと大きな洞窟発見!!

この大きな穴の情報はネットでは見当たらんかったんじゃけど皆気がついとらんのんか?登攀能力の高い誰か、中を探検してみて欲しい。
岩井谷の大龍頭の手前にあった洞窟

 

 

じっとナメを見つめとると、小滝の中に苔の付着しとらん小さな”足がかり”を発見!(下の写真赤丸部)

苔もついとらんし、真っ平じゃし「どうぞ、ここに足を置いてください。」と言わんばかりの絶好の踏み台じゃ!

片足をこの部分に置き、両手で小滝の上部を掴んで身体を引き上げ、難関を見事突破することに成功した。
岩井谷の大龍頭、最後の難関の小滝

 

 

核心部を振り返る。写真じゃ全く伝わらんが・・・。
岩井谷の大龍頭、最後の難関の小滝を超えて

 

ちなみに帰る時も来た時と同様に、小滝に腹を向けて三点支持で無事に下る事ができた。

遂にたどり着いた秘境の滝!これが岩井谷の大龍頭じゃ~!!

小滝をクリアした後、見上げると目の前に広がる絶景~!!

断崖絶壁に囲まれた空間を落差約20mの滝が流れ落ちる!

今までの工程を頭の中で振り返りながら見る絶景。感動でちょっと涙腺が緩みそうじゃ。

コンクリートで固められた遊歩道を歩いてきたならこんなに感動は無かったじゃろう。いや、仮にそうじゃったとしても”大龍頭”は素晴らしい滝じゃけどの。

あとは言葉少なめで”岩井谷の大龍頭”の写真をどうぞ~。

超広角レンズ買っといてえかった。ほぼ11mmで撮影。

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

岩井谷の大龍頭(武者かくしのた滝)

 

 

30分程滝の前でのんびり過ごし、名残惜しいんじゃけど帰路に着くことにした。

”大龍頭”の真下から下流を見た様子。
岩井谷の大龍頭の滝つぼ

岩井谷川を下り帰路に着く

 

 

行きには気がつかんかったんじゃけど、帰り道で岩を抱きかかえた大木を発見。
岩を咥えた巨木

 

 

ふーっ。水内側と岩井谷川の出会いまで戻ってきて一安心した。
水内側と岩井谷川の出会い

最後に

いつか行きたいと思うとった”岩井谷の大龍頭”。まさかこんなに早く目標達成してしまうとは自分でも驚きじゃのう。

最高の滝じゃった。

紅葉の時期も訪れてみたいんじゃけど、濡れん様な装備が必要なのと、熊さんや蜂さんが活発になるけん一人じゃと少し辛いか。

 

”岩井谷の大龍頭”に行くときは(そんなやつほぼおらんじゃろうけど)可能なら誰かと一緒に行った方がええぞ。

深い深い岩井谷の中を歩くけん、携帯電話の電波も届かんし、機種によってはGPSも全く電波をとらえれん可能性がある。

もしもの時の事を考えると、誰か他に同行者がおった方が安心じゃろう。

 

参考にならんかもしれんけど写真撮りながらゆっくり歩いて、行きは1時間、帰りは30分の工程じゃった。

 

滝に興味のある人は参考に「湯来滝めぐり」

http://www.cf.city.hiroshima.jp/yukinishi-k/takimeguri/

 

 

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