畑の谷大滝(はたのたにおおたき)は広島市佐伯区五日市町大字下河内の荒谷林道から100m程歩いて下った所にある滝じゃ。
たまたま行ったタイミングが良く(降雨後で日の少し傾いた時間)素晴らしい景色を目にすることができた。
彩が丘団地を少し通り過ぎた所を山に向いて登って行くと荒谷林道があるんじゃけど、この林道を通る人はほとんどおらん。
何故なら、林道を抜けた先の大杉地区には民家が数件しかなく、広島市内と聞いて驚いてしまう隠れ家の様な里があるだけ。数年前までは荒谷林道には未舗装区間があったけん、それ目当てのオフローダーがたまに通ることもあったようじゃけど、林道は現在では完全に舗装されてしもうた。
荒谷林道がまだ未舗装じゃった頃からこの道はたまに通っとったんじゃけど、実はこの滝の存在は全く知らんかった。
今回久しぶりに通った所、ガードレール脇にある立て看板にたまたま気が付いて滝があることを知ったんじゃ。
「何年も前から通っとるのに看板に初めて気が付いたけん、俺ってかなり鈍感じゃのう」と思いながら看板の文字を読んでみると、「平成23年」と看板下に記されとったけん、昔から看板があったわけではなく6年前に設置されたようじゃの。
しかし待てよ?過去6年以内に2,3回はここを通っとるハズじゃけん・・・。
やっぱり俺は鈍感じゃったと言うことか。
「畑の谷大滝」付近へのアクセス
広島県広島市佐伯区五日市町大字下河内
滝への降り口のある荒谷林道は道が細いけん、滅多にこんけど対向車が来たら離合が大変じゃ。行くならバイクか軽自動車で行くほうが気が楽でええぞ。
それと、荒谷林道の滝への降り口からはかなり急な勾配で滑りやすい山道を、道沿いに張られたトラロープをつたいながら慎重に降りて行かんといかん。しかも木が覆い茂っとるけん薄暗い。
山登りなんかしたことない人は怖くて行けれんかもしれんのう。
いざ「畑の谷大滝」へ!!
荒谷林道を登っていくと、谷側のガードレールのすぐ後ろに見落としてしまいそうなくらい控えめな小さな看板がある。
この看板のあるすぐ横のガードレールの隙間が「畑の谷大滝」への入口、降り口じゃ。
看板のアップ。
畑の谷大滝(下河内大杉)
森林浴を楽しみながら屈折した荒谷林道を大杉方面に上って行くと左側下方に「畑の谷大滝」があります。
この大滝に行くには、荒谷林道左側下方の急な山道を100m位下りると谷川にたどり着きます。谷筋を約10m上ると左側に巨大な屏風岩がそびえ立ち、そして、すぐ上方に、「畑の谷大滝」があります。
年中豊富な谷水が滝となって、約20m上方より流れ、夏場には涼を楽しみ避暑を満喫することができます。
乗り降りには十分きをつけて、怪我の無いように注意してください。河内地区まちづくり協議会・河内公民館
平成23年度広島市「住民に身近な地区別まちづくりビジョン」推進費補助金交付事業
ガードレールを抜けると、お世辞にも登山道とは言い難い獣道のような尾根を、張り巡らされたトラロープを頼りに下っていく。
下る事1分程度で右手に白い滝のようなものを発見!もう着いたんか!?これが畑の谷大滝か?
いやいや、よう見たら砂防ダムから水が流れ落ちとるだけじゃった。
少し進むと勾配が一気に急になってきた。落ち葉もあってかなり滑りやすいけん、慎重に進む。
道が不明瞭じゃけん、トラロープが無かったら行き先がわからんじゃろうの。
急勾配を2,3分下ったら目の前の視界が急に開けてきた。谷底まであともう少しじゃ。
下の写真がトラロープの張られた最終地点。
写真じゃとわかりにくいんじゃけど、この最後の3m位の下りがこれまた急勾配でここだけは完全にトラロープに体重を預けながら下った。
降りたところでトラロープは終わっとった。
ロープに結び目があるおかげで楽に降りる事ができた。トラロープを設置してくれた人、ありがとう。
そして、谷底に降りたって目の前に広がる光景は!?
なんじゃこりゃ!?道がロストじゃんか・・・。川のせせらぎが聞こえるけん、滝まではあと少しのハズじゃのに・・・。
ここで周囲を見渡して1分くらい考えたんじゃけど、どう見てもこのまま真っすぐ進むルートが一番可能性が高そうじゃ。写真ではわかりにくいんじゃけど、目の前が植物の密度が少し低い。
意を決して突入じゃ~!!
と、密集した草木の中を歩く事ほんの数秒で何とか川までたどり着くことができた!
看板には川まで降りたら谷筋を登れとかいてあったけん上流を見てみると、なんと倒木に埋め尽くされた状態・・・。
ここでもう帰ろうかと一瞬考えたんじゃけど、とりあえず倒木の木の近くまで歩いて行ってみると、人間が十分くぐれるぐらいのスペースがあったけん、一安心。
倒木をくぐり越えた直後の上流の景色。
この川をこのまま登って行ったら滝にたどり着く。俺は完全防水の靴を履いとるけん、川の水など全く気にせずにジャブジャブと上流を目指した。
普通の靴で来た場合は、水量が少なくないと確実に靴はびしょ濡れになる。川沿いの岸は草木が覆い茂っとるけん、川の中を歩いて遡る以外に選択肢はない。
見上げると巨大な岩壁が左手にそびえ立つ。これが屏風岩か。
光芒に照らされた「畑の谷大滝」
屏風岩を進む事、数メートルで右手の岩の上から水が流れ落ちとるのが目に入った!
遂に「畑の谷大滝」へとたどり着くことができた。
緑が多くてなんとも神秘的な空間じゃろうか・・・。美しい・・・。
そしてこれが「畑の谷大滝」じゃ!!
午後3時を回って少し日が傾いとるのが丁度えかった。滝の後ろから後光がさすように光芒(光の筋)が浮かび上がる!!
時間を忘れて滝に見入ってしまうのう。無名滝でこんなにも素晴らしい景色に出会えるとは夢にも思わんかったぞ!
ここ、広島市内じゃけんの。
ここへ来たのは雨後間もなかったんじゃけど、水量はそこまで多くなかったけん、普段はほんの少ししか水が流れとらんのじゃろうのう、
滝つぼらしきものも見る限りなさそうじゃ。水は澄んどって綺麗じゃった。
最後に
たまたま看板が目に入って行った滝じゃったんじゃけど、素晴らしい景色を見る事ができてホンマにえかった。
じゃけど、普通の人が滝まで行くには少し大変じゃろうけん、お勧めできるかと言われたら返答に困ってしまうのう。
たまに登山する俺でも、今回の全くの下調べ無しでの滝見物はかなりスリルがあった。
荒谷林道から谷底までは約100mで10~15分程度。谷底から川を遡って2,30m程で「畑の谷大滝」が現れるけん、時間はそこまでかからん。
じゃけど、滝で涼を撮っても帰りは急勾配を登らんといかんけん、汗が噴き出した。
もし、この記事を読んでこの滝に行こうと思った場合は、急な山道を下り、川の中を歩いて登る事になるけん、しっかりとした装備で行くように願いたい。携帯電話ももちろん圏外じゃけん、一人ではなるべく行かん方がええと思うぞ。
帰宅後、ネットで情報収集してみるもほとんど情報が無く、やはり無名滝と言うことを再認識した。
ええ滝じゃのにの~。