広島市平和記念公園の北側には、”広島悲願の会”により1964年9月20日に建てられた『平和の鐘』がある。
この平和の鐘には周囲をぐるっと囲うように配置された小さな池があり、初夏から夏にかけて睡蓮や蓮が平和の鐘を優しく見守っとるように優しく花を咲かせる。
この池は非常に小さいけん花の数も少ないんじゃけど、季節を感じるには一輪でも有れば事足りるじゃろう。
睡蓮や蓮は一般的な品種では早朝に花を開き午後からは花が閉じだすけん、花を楽しむなら午前中に出かけるのがよい。
平和の鐘へのアクセス
広島県広島市中区中島町1−1
平和の鐘について参考サイト
『平和の鐘』を彩る睡蓮の花
睡蓮の花は6月中旬くらいから楽しめるぞ。
青空の下、緑に包まれた平和の鐘。出勤前の早朝散歩は実に気分がええのう。
俺が散策したのは時刻は朝の7時30分くらいじゃったんじゃけど、既に多くの観光客が平和記念公園内を歩いとった。
知らん人も多いかもしれんけど、平和の鐘、平和記念式典で使用する鐘、「平和の時計塔」のチャイムの三つの音を合わせて「日本の音風景100選」に選ばれとる。
鐘楼のドーム状の屋根は宇宙を表現しとるそうじゃ。
平和の鐘に近づくと池の中が見える。
手前の池の中には緑の丸い葉はあるが花が見えとらんのう(花は奥に咲いとった)。丸い切れ込みのある葉は睡蓮で、切れ込みが無く水面から立ち上がって生えとるのが蓮の葉じゃ。
池の水面には周囲の緑の葉や青空が映り美しい。
平和の鐘の後ろ側の方に蓮の花が数輪開花しとった。
『平和の鐘』を彩るハスの花
蓮の花は7月中旬くらいから見ることができ、7月下旬から8月上旬が見頃。
ここに植えられた蓮は資料によると”大賀ハス”と呼ばれる蓮で、大賀一郎教授が千葉市の遺跡から2000年前の種を掘り出し発芽させたというなんとも凄い物じゃったらしいんじゃけど、咲いとる花を見ると現在は大賀ハスとは違う蓮の花が生育しとるようじゃ。
月日が経つにつれ何らかの理由で種が入れ替わったんかもしれんのう。
残念ながら訪れた時間が遅く既に花は閉じとった。蓮の花を見に行くなら午前中の早いうちにいかんと花が閉じてしまう。
蓮の花は開いて閉じてを3~4日繰り返した後、開いたままとなり花弁が散り始める。
先っぽにちょこんと紅をつけた様な蓮の花弁。大賀ハスは全体がピンク色じゃけん今咲いとる蓮の花は種類が変わっとるようじゃの。大賀ハスと比べると大きさも少し小ぶり。
池の中にはトンボも飛んどって賑やかじゃ。これは多分「ショウジョウトンボ」か?
後ろの白い丸っこいのは蓮の蕾じゃ。
ひらひらと舞うように飛ぶこいつはチョウトンボ。トンボにしては優雅に飛ぶけん見とれてしまうわい。
運が良ければカエルさんにも会えるかもしれんのう。池の中には他にも小魚がおったんじゃけど、俺にはその魚が何かはわからん。
池に映る原爆ドーム。
もう少ししたら池にはビッシリと葉が茂り水面は見えにくくなるじゃろう。
平和の鐘
この梵鐘、鐘堂は広島の悲願に立って、すべての核兵器と戦争のない、まことの平和共存の世界を達成することをめざし、その精神文化運動のシンボルとして作りました。
この梵鐘、鐘堂は平和を願う万人の心と浄財を結晶させてつくりました。
この鐘の音を、広島から、世界のすみずみまでひびきわたらせ、全人類の1人ひとりの心にしみわたらせることを願っております。
この趣旨、目的を御理解の上、平和への願いをこめておつき下さい。
昭和39年9月20日健之 広島悲願の会(現地案内板より抜粋)
遊歩道の水たまりにも原爆ドームのリフレクションを発見。
最後に
早朝の散歩は何とも気持ちがええもんじゃ。
通勤でこの付近を通る人は朝少し早めに家を出て、出勤前に平和記念公園で散策なんてどうじゃろうか?
花もえんじゃけど早朝の少しひんやりとした空気や、大きな木の下に落ちる木漏れ日なども心を浄化してくれる様で実に心地がええぞ。
平和記念公園内には多くのモニュメントがあるんじゃけど、これを一度にすべて見て回るのは大変じゃ。
早朝散歩一日につき一か所のモニュメントを見て行けば無理がないじゃろう。歩くルートも変化するし一石二鳥じゃの。
現在広島市内に住んどる人でも広島市街から来た人らは今まで学校で平和教育等はあんまりしとらんじゃろうけん、平和記念公園の早朝散歩をきっかけにして、歴史や平和について考え学びなおしてみるのもええかもしれんのう。