農業の一場面、伐採した木を焼却する作業

畑に植えられて数十年経ったミカンの木はここ数年、品質の悪い実しかならんかったけん植え替える事になり、チェンソーで木を切った。

数十年の長い年月、成長してきた太いミカンの木も機械を使えば一瞬で切り倒せてしまう。この作業をノコギリでやろうと思ったら何倍の時間と体力がいるじゃろうか。道具は格段に進歩したんじゃけど、人手は減る一方じゃけどの。

今はミカンの木をあまり大きくせんように育てるのが主流なんじゃけど、昔は木を大きく育てて沢山実をつけようという育て方じゃったけん、伐採したミカンの木は大きい木ばかりでもの凄い量じゃ。

木材用のチッパーがあったら木を粉砕して畑に撒いて肥料にする事ができるんじゃけど、うちには無いけん伐採した木や剪定した太すぎる木は畑で燃やす事になる。(細い枝は手作業で切って畑にばら撒くけん手間。チッパー欲しいのう。)

野焼きは禁止じゃけんの

平成14年12月1日から「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により野焼きは禁止されとるんじゃけど、一部の例外は焼却をする事を禁止されとらん。

この法律に違反すると「違反すると5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金又はその併科」に処せれれるけん十分注意せんといかんぞ。

自治体によっても独自のルールがある様じゃけん自分が住んどるとこの役所に聞いた方がええじゃろうの。

以下に例外を抜粋。

政令で定める廃棄物の焼却[施行令第14条]

1.国又は地方公共団体でその施設の管理を行うために必要な廃棄物の焼却
2.震災、風水害、火災、凍霜害その他の災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な廃棄物の焼却
3.風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却
4.農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却
5.たき火その他日常生活を営む上で、通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なもの

それとなんぼ法律で例外じゃと認められとっても近所にに迷惑をかけるような事はしたらいかんけんの。

伐採した木を燃やす

写真じゃと解らんじゃろうけど、伐採したミカンの木はもの凄い量じゃ。一日で燃やせるんか?

葉が青いじゃろ。切って2,3日しか経っとらんけんの。「生木が燃えるんか?」と思うかもしれんけど、切ったばかりの青々とした状態のミカンの木でもよう燃えるんじゃ。
ミカンの木を伐採

 

適当に細い枝を集めて山を作り、その中に枯れた杉の葉やら新聞紙やらを詰めて火をつける。これだけでミカンの木は燃え始める。100円ライターでもえんじゃけど、ガストーチがあったらブチ楽に火が付けれる。

火を燃やす前には必ず万が一の為に、消火できるように放水できる準備を整えてから燃やす。うちの畑は貯水池からポンプでいつでも放水可能じゃ。
ガストーチ

 

あっと言う間に燃えだす。葉に油が含まれとるんか葉がよう燃える。火は直ぐにつくんじゃけど、燃え始めは上手い事手入れせんと、葉だけ燃えて火が消えて、黒く焦げた枝が燃え残る。しっかり枝が燃え始めるまではよう見とかんといかん。
ミカンの木を焼却

 

火の力は凄まじい。帽子、ゴーグル、マスクで顔を全部覆っとかんと熱で顔が真っ赤になってしまうんじゃ。特に目は大事じゃけん、ゴーグルは絶対に必要じゃ。

肌は焼けても少々ええけど目が焼けたらまずいけんの。非金属(火で熱くならんように)で曇り止め(暑いけん汗かいて曇る)じゃったら最高じゃけど、100円均一のでもええけんとにかくゴーグルはあったほうがええ。
ゴーグル

 

樹齢は70~80年程度。昔のミカンの木は大きく育てられた。
ミカンの木の切り株

 

なんとか午前中には全ての木をくべる事が出来た。
剪定カスが消えた後には地面に落とされたミカンが姿を現した。収穫して出荷してもお金にならんような品質の物しかできんかったけん、手間を考えると収穫するのを辞めた。今の時代、温州ミカンはあまり儲からん。(品種が違うと話は変わるがの)

「生産者→消費者」と言うように直接取引出来れば売上は上がるんじゃけど、人により色々な思想や考え方があるけん、たまにしかサポートせん俺はあまり口を出さんようにしとる。
焼却作業中盤

 

昼飯は買ってきた弁当。火の番しながら、切り株に座って食べる。仮に燃え広がっても見渡す限りうちの土地じゃけん問題無いんじゃけど、やっぱりこういうもんはキッチリしとかんといかん。

「火は目の前にあるんじゃけん、BBQでもしたら?」と思う人もおるかもしれんけど、疲れ果ててそんな体力はない。重たい枝を運んだり、熱風に当たっとると体力を非常に消耗するんじゃ。
畑で弁当

 

朝から燃やし始めて約6時間経過。その間、火につきっきり。だいぶ燃えてやっとゴールが見えてきた感じじゃのう。
IMG_9883

 

燃やし始めて約7時間30分経過。
灰になるまで燃やす為に、竹ざおでほじって炭を空気に触れさす作業をひたすら繰り返すんじゃけど、竹ざおは燃えてどんどん短くなるけん、火に近くなって熱い。下の写真のほぼ灰の状態でも、まだもの凄い熱気を放っとる。
焼却作業終盤

 

燃やし始めて約8時間分経過。そろそろ日が暮れるけん、焼却作業を終了する事になった。

殆ど灰の状態まで燃え尽きとんじゃけど、まだ熱気は凄い。火は怖いけん、念には念を入れて十分に放水して火を完全に消火する。ベチャベチャになるまで水をかけてから、灰を掘り返して火が完全に消えた事確認する。
燃え残りを消火

 

最後に

農作業は汚いし体力的にもきついんじゃけど、室内にこもってキーボードを叩く仕事と比べると作業自体は遥かに精神的に負担が少ない(収入の不安はあるじゃろうけど)。というかむしろ楽しい。

じゃけん、週に5日も部屋にこもって働いた後の大事な休みの2日間を、手伝いの畑仕事に費やしても不満はほとんどない。秋から冬の収穫時期は毎週末、畑仕事じゃけんうんざりじゃけど、それ以外の季節は気分転換に丁度ええ。

今回伐採して燃やしたミカンの木はうちの畑で3番目に古い木。俺がまだ小さい頃、この木はミカンが沢山なる木じゃったし出荷時期の兼ね合いもあり、家族総出はもちろん親戚にも手伝ってもらいながら10人位の人数でワイワイ言いながら収穫しとった事を思い出した。

子供の時に自分の身長の3、4倍の背の高さの大きなミカンの木に登ってミカンを収穫するのは楽しかったのう。たまに枝が折れて地面に落ちたりもしたけどの。

そういや、畑仕事に飽きてきたらサボって山や海に探検に行ったりもしたのう。今も木を燃やしながら写真を撮っとる現状を客観的に捉えると昔と大差ないということか。ガハハッ!

 

 

 

 

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