
岐阜県にある白川郷(しらかわごう)は、富山県の五箇山(ごかやま)と共に”白川郷・五箇山の合掌造り集落”として1995年(平成7年)にユネスコの世界遺産(文化遺産)として登録された。
手を合わせた様な三角形の茅葺屋根”合掌造り”の建物が特徴的である。
茅葺屋根自体が現代ではほとんど見かける事がないんじゃけど、白川郷の荻町地区だけでなんと100軒以上もの建物が現存し、しかもその約半分は実際に人が生活する家として使用されとる言うけん驚きじゃのう。
住んどる家が世界遺産って凄い・・・。
今回訪れたのはタイミング良く桜が咲く時期じゃったんじゃけど、村をぐるっと囲う山々の山頂はまだ雪で白かった。
白川郷へのアクセスや駐車場など
岐阜県大野郡白川村荻町
東海北陸自動車道を白川郷ICで降りてすぐじゃけんアクセスは良い。とは言えまあ、遠いけど。
集落内を通るメインの道路は、一般観光客は車両侵入規制があるけん9時~16時の間は車で通行する事はできんけんの。規制の看板があるしわかるじゃろう。
白川郷の駐車場は基本的には”村営せせらぎ公園駐車場”にしか車を止めれんのじゃけど、混雑時には”寺尾臨時駐車場”や”みだしま公園駐車場”に案内されることもあるようじゃ。
白川郷は住民の方が実際に生活している場じゃけん、駐車場は8時~17時までとなっとる。駐車場の営業時間以上に長時間滞在したい人は宿泊施設に泊まろう。
夜間ライトアップ時には寺尾臨時駐車場(21時まで)に車を止めそこからシャトルバスで集落内へと向かう。
参考ホームページ
桜咲く、世界遺産『白川郷』へ
金沢駅を出発して北陸自動車道に乗り、砺波JCTから東海北陸自動車道へ。
高速道路沿いの木は折れとる枝が目立つ。雪の重みのせいなんかのう。
目の前には山頂が真っ白な山脈がどんどんと近づく。
白川村役場のライブカメラで現地には雪が無い事、高速道路には何の規制も無い事は確認済みなんじゃけど、山頂から山腹に雪をかぶったトンネルをくぐる度に少し不安になる。道中はやはり全く問題なかったけどの。
下田トンネルを抜けると飛騨白川PAがあり、そのすぐ先が白川郷ICじゃ。
高速道路を降りて、国道156号線(飛越峡合掌ライン)を走っとると桜が綺麗に咲いとった。ええ時期に来れたのう。
白川郷を天守閣展望台から望む
先ずは白川郷全体を見渡す事のできる天守閣展望台(荻町城跡展望台?)へと向かった。写真の定番スポットじゃの。
車を駐車場(無料)に止め、「お食事処 天守閣」の南側にあるのが天守閣展望台。
最高の展望スポットじゃけん、やはり人は多い。
丁度桜も開花!山の上には白い雪!!最高じゃ~。たまたまじゃけど中々こんなタイミングで来れる事はないけんのう。
アップにすると合掌造りの建物が集落内のいたる所に多く残っとるのがわかる。
手前にある国指定重要文化財の和田家は建物も大きくひときわ目立つ。
茅葺屋根の木造住宅でこの規模・・・。デカイ。歩いとる人と比較したらその大きさがようわかる。
ここに後で行く予定じゃったんじゃけど、せせらぎ公園駐車場から遠く時間切れで行けんかったのが心残りじゃ。中に入ってみたかったのう。
桜と合掌造り。
この構図がよう見る白川郷の写真じゃのう。昔にタイムスリップしたようじゃ。
『天守閣展望台(お食事処 天守閣)』
住所:岐阜県大野郡白川村荻町889
電話番号:05769-6-1728
色々なホームページを見とると”天守閣展望台”と表記があったり”荻町城跡展望台”とあったりするけん迷うんじゃけど、どうやら同じ場所みたいじゃのう。
村営せせらぎ公園駐車場へ移動、であい橋を渡って合掌造りの集落へ
白川郷の集落を観光するなら混雑時以外はここ”村営せせらぎ公園駐車場”に車を止めるようになるけん迷うことはないじゃろう。
料金は1日1000円(普通車)の後払いじゃけんの。
駐車場の桜は満開一歩手前じゃった。
庄川に架かる”であい橋”を渡って合掌造りの集落へ。
コンクリートでできた頑丈な橋なんじゃけど、107mもの長さがあり大勢の人が通るけん少しだけ揺れる~。
”であい橋”を渡り進んで行くと見事に咲いた桜が水田に反射して出迎えてくれた。
桜の後ろの合掌造りの建物は”幸エ門”という宿。白川郷に泊まるのもええの~。
メイン通りの白川街道まで来ると、さっきまでおった展望台が遠くに見えた。
山の北斜面は真っ白。あそこはまだ冬じゃのう。
『村営せせらぎ公園駐車場』
HP:http://shirakawa-go.org/kankou/access/parking/
住所:〒501-5627 岐阜県大野郡白川村荻町2495−3
料金:普通車1000円、バス3000円、二輪200円
時間:8時~17時
写真の定番スポット「お食事処 忠兵衛」三つ子の合掌造りへ
実はスケジュール的に白川郷の合掌造り集落での観光時間が1時間しかとれんかったけん、少し焦り気味で歩いた。
最初に向かったのは合掌造りが仲良く三棟並んだ”お食事処 忠兵衛”。
ここも白川郷での写真を撮る定番スポットじゃのう。
”お食事処 忠兵衛”へ向かう途中でさっき通ってきた”であい橋”が遠くに見えた。
相変わらず橋を往来する観光客は多い。
”であい橋”から約650m歩いて”お食事処 忠兵衛”へ到着!!
「白川郷に来たーっ!!」と改めて実感した。三つ子の合掌造りが絵になるの~。
右端の桜も一緒に入れてドアップで。
田んぼに水が張ってなかったんじゃけど、もうこれで十分じゃ。
雨で少しだけ水たまりがあったけん、忠兵衛リフレクション。
「さあ、次へ向かおう」と来た道を戻っとると、キイロスイセンが綺麗に咲いた田島家養蚕展示館を発見!
来た時は焦っとったけん気が付かんかった。
白川街道の様子。
平日の16時頃でこれくらいまだ観光客がおる。土日じゃともっと混むんじゃろうの~。
『お食事処 忠兵衛』
HP:http://chubee.info/
住所:岐阜県大野郡白川村荻町3065
電話:05769-6-1818
時間:10時30分~15時
休館日:10月15日、12月26日~1月15日
珍しい合掌造りのお寺「明善寺」
茅葺屋根の建物ってだけでも珍しいのに、なんと明善寺は合掌造りのお寺。
ここの桜は少し開花が遅いようでまだ蕾じゃった。
門の上部に鐘のある鐘楼門。しかも茅葺屋根。これは珍しい。
時間が無いけん中は見学できず。手を合わせて後にした。
『明善寺』
住所:岐阜県大野郡白川村荻町679
『明善寺庫裡郷土館』
HP:http://shirakawa-go.org/kankou/guide/192/
住所:岐阜県大野郡白川村荻町679
料金:大人300円、子供100円
時間:8時30~17時(4~11月)、9時~16時(12~3月)
休館日:不定休
煙硝造りが行われていた神田家
和田家まで行こうかと思うとったんじゃけど時間が無さそうじゃの~と思うとったら神田家を発見(失礼か?)。
せっかく来たけん、合掌造りの建物の中には絶対入ってみたい!と言うことで300円を払って神田家を見学させてもらった。
その昔、合掌造りの民家の多くは”養蚕”が行われとったんじゃけど、ここ神田家は更に床下で火薬の原料となる煙硝づくりも行われ、現金収入としとったそうじゃ。(煙硝は屎尿から作る事ができる)
中に入ると中央には囲炉裏があってお湯を沸かしとった。
この囲炉裏からでる煙のヤニで建物内は真っ黒になるんじゃけど、それが萱の防水、防虫の効果となり屋根を長持ちさせる事になる。
神田家は何と4階まであったんじゃけど、囲炉裏の煙が一番上までしっかりと行くように煙の通り道がしっかりと造られとった。囲炉裏のすぐ上にある火棚と呼ばれる四角い仕切りで煙が拡散されて建物内に上手い事広がる仕組みだそう。
先人は凄い。ちゃんと考えとるんじゃのう。建物が大きいだけあって室内空間は物凄く広かった。
真っ黒で立派な梁。天井も高い。
急な階段を上って二階へ。
二階には色々な農具や藁で作ったカバンや靴なども展示されとった。
昔の人はこんな貧弱な装備で豪雪の中暮らしとったんかと思うと、凄いとしか言葉が出てこん。
タイムスリップしたら俺は生きていく自信がないぞ。昔の人は強いのう。頭が下がる。
屋根の骨組みには釘が使われとらんそう。縄で縛るという締結手法により、適度な柔軟性があるけん強風や地震にも強いということじゃ。
木組みの構造も屋根にかかる力を分散させるように考えられとる。先人偉大!
三階に到着。
二階よりは狭いんじゃけど、それでも広さ十分じゃ。
奥には縄ない機が展示されとった。
機械で縄がなえるって知らんかった。うちの実家には無かったけん、俺の爺ちゃんは全て手作業で縄をなったんじゃろうのう。
最上階の四階に到着!
ここは立ち入り禁止じゃったけん、手すりから眺めた。木造で4階建てって凄い。神田家に入ってから「凄い凄い」としか言葉が出てこんわ。
ふらっと入った神田家じゃったんじゃけど、驚きばかりで貴重な体験ができた。白川郷に行くなら街を歩くだけじゃなく、建物内も見学する事を強くお勧めする。
集合時間を気にしながら”村営せせらぎ公園駐車場”へと向かう。
なんか塊があると思うたら多分、除雪した雪なんじゃろう。冬は凄まじい雪の量なんじゃろうの。
機会があれば冬にも来てみたい。そんときゃ~ここで一泊じゃ!
『神田家』
HP:http://kandahouse.web.fc2.com/
住所:岐阜県大野郡白川村荻町796
電話:05769-6-1072
料金:大人300円、子供150円
時間:9時~17時
休館日:3~11月は第4水曜日、12~2月は毎週水曜日
白川郷野外博物館「合掌造り民家園」
”であい橋”を再び渡り、駐車場まで戻ってきた時点で集合時間まで残り15分。
だいぶ歩いて疲れとったんじゃけど、最後の力を振り絞って駐車場の目の前にある”合掌造り民家園”に入ることにした。
民家園の入園料は600円(大人)で、県指定重要文化財9棟をはじめ全部で26棟の合掌造りの建物が県内から移築され展示されている。
半分以上の建物の内部を見学する事が可能じゃけん、ゆっくり見学しとるとここだけで1,2時間はあっという間に過ぎてしまいそうじゃのう。
下の写真は民家園の入口の正門。ここをくぐり中に進むと園内受付があるけんそこで入園料を支払う。
支払いを済ませ園内に入った時点で車までの距離を考慮すると、滞在時間は5分しか残されとらんかった。
焦り気味に速足で(走っとったかも)進むとすぐに池がみえてきてお目当ての”水織音の滝(みおりねのたき)”周辺へたどり着いた。
日影には残雪あり。
そして俺が見たかった景色がこれじゃ!
ここらは桜はまだ咲きそろっとらんかったんじゃけど、池に映る青空、桜、合掌造りの中野長次郎家のこの景色が見れてよかった。
素晴らしい景色じゃったんじゃけど、とにかく時間が気になって気になってゆっくりと写真を撮る事ができんかったのが残念じゃのう。
下の写真を撮った後でダッシュで車へと向かった。600円払って滞在時間わずか5分じゃったんじゃけど次来れるかどうかわからんしの。
受付の人も驚いたじゃろうの。「さっき入ったばっかりの人がもう出ようるで」と・・・。
『合掌造り民家園』
HP:http://www.shirakawago-minkaen.jp/
住所:岐阜県大野郡白川村荻町2499
電話:05769-6-1231
料金:大人600円、子供400円
時間:8時40~17時(3~11月)、9時~16時(12~2月)
休園日:4~11月は無休、12~3月は木曜(木曜が祝日の場合は前日)
最後に
実は少し前までは白川郷には全く興味が無かった。広島でもすこし山奥に入れば茅葺屋根の家があったりするけんのう。
じゃけど、年齢を重ねると趣味は変わるもので世界遺産の白川郷を見てみたいと思うようになった。
古いものでは築年数が300年以上になるものもあり、それがこの時代まで受け継がれしかも実生活でまだ使われている。作った人、修繕してきた人、そしてそこに住んでいた人々の関わりと流れてきた月日を考えると非常に趣がある。
興味がある人は是非足を運び、合掌造りの外観を見るだけでなく内部も見学してみるとええじゃろう。
現地の人と話し、この地や合掌造りに着いて様々な話を聞けばよりいっそう白川郷に来たことが貴重な経験となるぞ。