安佐北区可部の南原峡(なばらきょう)には、加賀津の滝(かがつのたき)と石采の滝(いしうねのたき)がある。
南原峡や南原ダムという名前は広島県民なら一度は聞いたことがあると思うんじゃけど、ここに滝があることは登山者以外にはあんまり知られとらん。
竜頭ヶ原園地へ車を止め、堂床山(どうとこやま)の登山道を約400m、15分程度歩いて登っていくと加賀津の滝へとたどり着くことができる。そして更に約15分程登った所にあるのが石采の滝じゃ。
南原ダムの更に上には明神ダムがあるんじゃけど、これらのダムは中国電力の発電用ダムで、二つのダムの間で水を行き来させる揚水発電所として稼働しとる。中国地方では珍しく二つともロックフィルダムじゃ。
石を積んだダムなんか滅多に見れんけん、一度は見てみるとええとお勧めしたいんじゃけど、残念ながら両ダムともに関係者以外立ち入り禁止となっとるけん、遠くから眺める事しかできん。
※注意
石采の滝の読み方なんじゃけど「いしうね」と「いしふね」と二つの名前で呼ばれとるようでどちらが正しいか不明。
安佐商工会の資料では「いしうね」、広島市のHPでは「いしふね」と記載されとる。本記事は地元に配慮して「いしうね」と記載した。
正式名称を知っとる人は教えてつかーさい!
南原峡へのアクセス
広島県広島市安佐北区可部町大字南原
広島市中心部から国道54号線を三次に進み、国道191号線別れを過ぎると約1.5km先に「県立自然公園、南原峡、5km」の看板があり、そこを左に曲がって県道253号線を道なりに進んでいくと南原峡がある。
旧道の国道54号線を通っても、新しくできた可部バイパスの国道54号線を通ってもどっちでもえんじゃけど、可部バイパスの方がアクセスが楽じゃろう。
南原峡に向かう途中にロックフィルダムの南原ダムが見える。(下の一枚目の写真は県道253号線から離れてダムの下から撮影した。)
南原ダムの横を通り抜けて進んでいくと、やがて橋が現れる。橋を渡るとT字路になっとって、右に行くと南原峡国際釣り場、左に行くと南原峡じゃ。
左に曲がって約200m川沿いに上がっていくと、左手に橋が再び現れる。この橋を渡った対岸が「竜頭ヶ原園地」で、川で遊ぶ人や堂床山へと登山する人がここに車を止める。
駐車場というよりは広場という雰囲気なんじゃけど、ここに車を止めたらええ。トイレもあるけんありがたい。
俺が行った日は、川で遊ぶ家族や登山者が多く、車が多く駐車してあった。
下の写真が「竜頭ヶ原園地」の駐車場。堂床山への登山者もここに車を止める。登山者の多くは堂床山と可部冠山を縦走するようじゃ。
俺も車を止め、滝へと向かう。
「加賀津の滝」と「石采の滝」の位置関係のマップ↓↓↓
いざ、加賀津の滝へ!
駐車場の一番奥に鉄でできた車止めのゲートがあり、その横をすり抜けて堂床山の登山道を進んでいく。
ゲートを過ぎると看板があり、まっすぐ進むと堂床山で右に曲がって進むと冠山と書いとる。加賀津の滝と石采の滝へと行くには真っすぐ堂床山登山道を進んでいったらええ。ここには碧梧桐句碑もある。
進んでいくと直ぐに橋が現れる。この橋を合わせて3つの橋を渡るとその先に加賀津の滝がある。竜頭ヶ原園地から滝までは約400m程度じゃし、写真を見たら解るじゃろうけど、車が通れるほどの道幅があるけん、非常に歩きやすい。
途中の切り株に「滝」の文字。粋な演出じゃのう。中々上手に書けとるで。
道は川に沿って作られとるけん、水の流れる音が常に聞こえて心地よい。
木の生えた薄暗い道を抜けると、急に道が広くなって目の前が明るくなった。加賀津の滝はもうすぐそこ。
真っすぐ進んでいくと最後の難関。滝を見るためには並べられた石の上を通って川を渡る必要がある。
水量の多い場合は石の上を渡っても普通の靴じゃと濡れるかもしれん。しかも、最後から2番目の石が少しずれとるけん渡るのにヒヤッとした。石の上を渡る自信がないと思うたら、靴と靴下を脱いで川の中を歩いて渡った方が安全じゃ。
川の向こうに見える階段を上ると堂床山や石采の滝に行くことができる。
川を渡ると上流に加賀津の滝が見えた。看板のある所まで歩いていくと滝の全容を眺める事ができる。
この川の水は上にある明神ダムから流れてくると聞いとったけん、濁った水が流れとるんかと思うとったんじゃけど、以外にも綺麗な水じゃった。しばしここで水遊びを楽しんだ。
これが加賀津の滝の全容じゃ。落差30mの立派な滝で水も中々綺麗で真ん中あたりで少し折れ曲がった形が良い。
続いて石采の滝へ!
石采の滝は加賀津の滝から約15分程歩いて登った川の上流にあるけん、加賀津の滝のすぐそばの堂床山へと続く登山道の階段を上って滝を目指す。
階段を登りきると、道は急に左へと曲がる。
そして少し進むとすぐに堂床山へ上る分岐が現れるんじゃけど、石采の滝へ向かうにはこれを真っすぐ進む。
登山道は川沿いに上って行くんじゃけど、道が次第に不明瞭になり不安になる。
進んで行き、「これ以上は真っすぐ進めそうにない」という雰囲気の所までくると、そこが第一の渡渉ポイント。(渡渉とは川を歩いて渡る事)
川を右手に見ながらを登ってきたんじゃけど、ここからは川を渡り、川を左手に見ながら上流を目指す。
川を渡るとよりいっそう登山道は不明瞭となるんじゃけど、ズンズン上流を目指し進んで行く。
しばらく進むと、川沿いにあった登山道がいきなり川から離れて上にそれていくんじゃけど、そこが第二の渡渉ポイント。
対岸をよく見ると、ボロボロの赤テープ(目印)が木に巻き付けてあった。
川を渡り、再度、川を右手に見ながら上流を目指す。ここまでくれば滝まではあともう少しじゃ。
川沿いを上るんじゃけど、道らしい道は無い。自分で考えて歩きやすそうな所を慎重に進んで行く。
おっ!木に「石采滝」の看板発見!奥に滝らしきものが見える!
解りにくい登山道を不安になりながら進んだんじゃけど、迷うことなくたどり着くことができた。
これが「石采の滝」じゃ!
広い岩肌を控えめに白い筋をなして水が流れ落ちる。誰も来そうにない山奥の滝という秘境感が溢れとるのう。
一人でおるのは寂しかったけん、直ぐに帰路についた。
最後に
南原峡にはキャンプ場があり、バーベキュー等を楽しむことができるし、南原川の水は綺麗じゃけん川に降りて遊ぶにはもってこいじゃ。
俺が行った時も数組のファミリーが川に降りて遊んどったぞ。
堂床山、可部冠山、小掛山など(可部連山)を走破する「可部連山トレイルランinあさきた」も開催されとるようで、登山者だけでなくトレイルランナー達も多くこの地に訪れる。歩くだけでもしんどい山を、走って登るとはなんという体力の持ち主たちじゃろうか。
俺じゃったら下りで膝がガクガクになってすっ転ぶじゃろうの。いや、下る以前に登り初めて直ぐにダウンじゃろうの。
水の綺麗な南原峡で遊ぶ子供。浅い場所はそこそこ小さな子も遊べそうじゃった。